大規模なネットワーク活用における最重要課題の一つが、セキュリティ問題である。特にビジネスや教育の場で使用するネットワークは、情報漏洩や不正アクセスといったリスクに常にさらされている。このような状況を防止するためには、厳格なセキュリティ対策を施すことが求められる。ネットワークを構築する際に、セキュリティを確保するため最初に考えるべきことは、ネットワークの構造とその運用方針である。
一般的に、ネットワークの構造は閉鎖型と開放型の2つに分類され、閉鎖型は外部からのアクセスを完全に遮断する一方で、開放型は一部の外部からのアクセスを許可する。運用方針についても、各組織の情報管理の方向性により異なるため、自組織に適したセキュリティ対策を見つけ出すことが重要である。ここで挙げたネットワークのセキュリティ対策の一つとして「UTM（UnifiedThreatManagement）」がある。UTMは、従来の防火壁やアンチウイルスソフトウェアとは異なり、1つのデバイスに複数のセキュリティ機能を統合したものである。
これにより、使い勝手が向上し、運用コストの削減にも寄与する。さらに、継続的なセキュリティ対策の改善と更新機能を持つため、新たな脅威にも迅速に対応することが可能となる。UTMを活用したネットワークセキュリティ対策は、全ての組織にとって非常に効果的である。しかし、完全なセキュリティを確保するためには、UTMの導入だけでは不十分である。
セキュリティは組織全体での取り組みが必要であり、各ユーザーの行動によっても大きく左右される。したがって、ネットワークの安定的な運用と情報保護のためには、常に最新のセキュリティ情報の収集と教育、そして定期的なセキュリティ診断の実施が不可欠である。